日本舞踊は年齢を重ねるほどに価値の増す仕事
2022/12/27
クリスマスも終わり、いよいよ年末を迎える雰囲気になってきましたね。
最近益々寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日のタイトルは「日本舞踊は年齢を重ねるほどに価値の増す仕事」ということで、
先日このことを改めて感じることがあり、皆様にもぜひ知っていただきたいと思い、書いております。
「日本舞踊は」というか、伝統芸能・伝統工芸の世界でも同じかなと思うのですが、、、
どのお仕事でも ”退職” や ”引退” があると思います。一生涯続けられるお仕事って、世の中でそれ程多くないと思うんですね。
その理由は体力的に続けることが困難であるから、とか
物覚えが悪くなったから、とか
若い人についていけなくなったから、とか
人それぞれ、または職業によってさまざまにあり、年を重ねるほど続けていくことが困難と判断される職業が多いように思います。
ですが結論から言いますと、日本舞踊は体がある程度動く限りは一生涯続けることができ、
また続けてほしいと周りからも思ってもらえる職業であり、世界だと思うのです。
理由は伝統芸能・伝統工芸に携わる人はその道のプロフェッショナル・職人であり、
長い年月をかけて経験を積めば積むほど腕が上がり、またその技術を教えてほしいと集まってくる人が増えるからです。
教えを乞うために集まってくる人がいるということは自分の腕の価値が増しているということで、人が集まり続けるということは何歳になっても続けられる終わりのない職業ということになります。
実際に先日私がお勉強に行かせていただいた他流派の舞踊会を主催されていたのは、御年90才の舞踊家のお師匠さんでした。
現役の舞踊家さんで、全国から多くのお弟子さんが習いに来られているそうです。
その舞踊会ではもちろん90歳の舞踊家さんも踊っておられました。
もちろん飛んだり跳ねたり、ちゃきちゃきと動いて踊られるわけではありません。
しかしご自身でしっかりと立って踊られていたそのお姿は圧巻と言いますか、威厳も見え、なんとも言葉では言い表せないものでした。
会の最後にご挨拶もされておられましたが、
90歳になっても日本舞踊を続けられ、こうして舞台に立てることが幸せだと涙を流してお話されていました。
さらにその後ろで一緒に涙されているお弟子さん方を見て、そのお師匠さんのお人柄や、いかに周りの方々から慕われている存在でいらっしゃるかもダイレクトに胸に伝わってくる、
そんな不思議な経験でした。
踊りもお姿も含めて、”これぞ、日本舞踊の神髄” だと感じました。
こんなことを言うのも恐れ多いですが、私もそんな舞踊家になっていきたいと思いました。
タイトルに戻りますが、
経験を積み、腕を磨けば磨くほど自分の価値が上がっていく。
中には、年を重ねて立っていることが難しくなり、座ったまま教えているお師匠さんもおられます。
お弟子さんに代わりに動いてもらいながら教えているお師匠さんもおられるそうです。
それでもその方の技術を学ぶために習いに来られるお弟子さんはたくさんおられます。
年を重ねるほどに価値が増す。一生涯求められる、続けられる、日本舞踊はそんな素晴らしい伝統芸能であり、職業なのです。
長くなってしまいましたが、私の言いたいことは伝わってますでしょうか?笑
長文乱文で大変恐縮ですが、ある程度私の言いたいことは伝わっていると願いつつ・・・笑
今日のブログは終わりにしたいと思います。
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日本舞踊 川勝流 ちさや会
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京都で伝統芸能を仕事に活かす
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